横浜市港北区の戸建にて、浴室クリーニング。
戸建の浴室では、ユニットバスをスポッと入れ込むのではなく「一から組み合わせてオーダーメイド」なバスルームも多いです。「在来工法の浴室」、「在来浴室」と呼ばれるタイプです。
在来浴室で壁面に採用されることが多いのは、やっぱし「陶製タイル」。
トロリとした光沢の釉薬(うわぐすり。ガラス質の液体を表面に塗布し、保護膜を焼成します)。何とも清潔感があって、窓からの僅かな陽光を反射させて明るい。
やっぱし、きれい。ピシッとしていて、気持ち良いですよね。タイル!
冬の風景と…ん?ピースサインの男性の姿。
実はこの写真、浴室クリーニング後なのでした。元の状態は、こう。
おーい、さっきの人ー!すごくボヤけて、遠くにいるみたいに見えないよー!
全体に、水玉がつながった縦じま模様みたいになっている。白くカサカサした水垢で覆われて、ツルッとした質感を一切感じ取ることができません。
同じ画像をズームして切り取ってみます。
ねっ。(←雑な語り方)
指で触ると、卵の殻みたいに何となくカサカサのサラサラです。ムッチリとハリを感じるガラス質のタイル、いったいどこいったー!
カビ予防を目的に、お風呂の後、上がった温度を急激に下げるためにシャワーで冷水を壁面いちめんに掛けられることがあるかと思うんです。
あと、ヒートショック予防を目的に、温水を掛けられることもあるかと思います。
ウォッシュテックがお伺いするエリアにおいて、水道水の中に含まれるミネラルは、カルシウム・マグネシウム・そしてシリカが多く見られます。
以前にシリカスケールの記事を書きました。
シリカの水垢(汚れ)について言及している人がいないので、また書いてみます。
このシリカってのは砂の主成分となる石英で、珪砂から作られるのがガラスで、タイルの表面の釉薬もガラスと同じ。
ってことは…
同じ元素の関係だから、「一体化して当然」って感じで、オラオラと超強気でくっついてくるわけです。
つまり、水道水をそのままにしておくだけで、ガッツリ固着してしまうのです。
そして、いったん表面を覆うように薄く付いたら、またそこを目掛けて重ねて固着する。厚く厚く育つ。
ものすごくザックリで説明しますと、それが「なぜタイルは白く濁るのか」のメカニズムとなります。
なので、水道水を掛けられたらですね、スクイージというワイパーみたいな道具でサッと水を払い落とすか、タオルでザックリ拭き取ると、タイルを断然美しく保つことができます。
うん!考えただけでも面倒臭い。しかし、あとあと困ったり焦ったりしないよう、メカニズムとセットで対処法として覚えておいて欲しいんです。
タイルのモヤモヤは、あんまりほっておくと、いかなウォッシュテックの手練手管でも変化しない状況になってしまいます。どんなケミカルでもピクリとも来ない。打つ手なし。使い倒してリフォームに一直線するしかない。と診断される浴室も、事実、あります。
今回の写真は、ハウスクリーニングで復元できるギリギリのラインだと思います。あくまでも「見た目」ですが、水垢の組成や付き方によっては問題なく取れることもあるでしょう、しかし薄く残ることもあるでしょう、という判断難しいところ。
なので、ぼんやりと白い膜が薄く見えたら、復元する。もしそのペースで管理して頂けたら、ローン完済や売却の頃合いまで、気持ち良く長く使い続けられると思います。