トイレの「置くだけ洗浄芳香剤」の話

※この記事は、2010年3月3日の内容に加筆修正したものです。

トイレのタンク上にある手洗いボウルの置いたり、タンク内部に沈めたりするタイプの水洗トイレ用の洗浄&芳香剤。

フッ素、親水、無色、リキッド、漂白、固形、液体…さまざまな種類が、ホームセンターやドラッグストアにズラリ売られています。

トイレクリーニングに入らせていただく際などに、その普及率の高さに驚きます。

便器に頭突っ込んで、あるいはタンクに手を突っ込んで、目視確認すると、継続使用によって「危うい状態」に陥っているトイレがとても多いです。

そのため、ウォッシュテックでトイレクリーニングをご依頼くださるお客様には、ほぼ必ず「使わない方が健やかに保てます」とお声掛けしています。

トイレの洗浄芳香剤ユーザーで見られる現象は、おおまか下記の3方向です。

現象1)
いったん溶けた成分が再び固まってフレーク状になり、便器フチ裏の水が出てくる穴、タンク内部に詰まる。

現象2)
界面活性剤や洗浄成分を含む水が常にずーっと便器の表面に触れていることになるので、釉薬(つるつるしている層)の表面が荒れ、経年劣化が加速。防汚加工、コーティングがされている便器の場合は、加工の効果持続期間が短くなる。

現象3)
水色タイプの場合は、素材を色素で染める。現象2と重なることで、より深刻な状況に近づく。色素によって深く染まった場合は「汚れ」ではありませんから、洗剤でほどくことができません。したがって、いかなハウスクリーニングの技術をもってしても色ムラを復元することは困難です。

文章だけだと分かりづらいので、お写真を。 

bluelettank.jpg

給水タンクの中。

底部にザリザリがちがちに固まった洗浄芳香剤が溜まっています。

カビとヌルヌル、ものすごいわー。

界面活性剤が溶け込んだ水に、カビを防ぐ機能は無い。だからカビカビになるのは理解できるのですが、

数百件トイレタンクをフィールドワークしてみると、むしろ何も入れない方がカビが少ないのです。なぜだろう。教えて化学のひと!(汗)

ちょっと調べてみたんですが、界面活性剤を好む菌というのも世の中におるらしいです。そういえば!洗剤を詰め替え容器につぎたしつぎたし3回くらい足していると、ボトルにカビが発生することがあって、「なんで?キモ!」と、以来、使い切るたびボトルを洗浄するようになりました。あっアイツか!と納得です。

こちらは、別のトイレの便器です。

しっかりとフチ裏に届くブラシでガチガチ汚れを酸でほどき、その後ブラッシングして、きれいな水を流す、を繰り返します。

すると、穴に詰まっていた水色の破片が、ボロボローっと砕けて落ちてきます。 

blueletbenki.jpg

この便器は、新築から継続的に5年間ほど洗浄芳香剤を使用。すでに便器表面に施された「セフィオン」の光沢と汚れの離れやすさが低下し始めています。

たかだか数百円の製品を買って設置するだけ。あるいはトイレタンクに放り込むだけ。それだけで、面倒なトイレ掃除の回数を少なくできてラクできる!こんなステキな香り!除菌もできますよ!

と言われれば、そりゃ〜買うよね。使うよね。

「こうなっちゃってますよ」と実際に見せられる機会がなければ、いつまでも使い続けることでしょう。

ほんと、ちょっと楽したい気持ちにスッと入り込んで。罪作りなお方です。

日時:2016年2月16日 PM 09:25
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