大理石タイルの床に、猫が吐いた跡

東京都港区の住宅。大理石タイルの床です。

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猫を多頭飼いされていたため、吐しゃ物の跡が無数に見られます。

猫さんにとって生魚は「おかゆ(養生食)」みたいなもんなんですってね。と、いうことは!とても胃液の酸が強いんですね。カルシウムのかたまりである大理石など、ひとたまりもない。

こちらのタイル床、大理石の表面が酸に触れて溶け、粉っぽい質感。光沢が全くなくなっています。

正直、難問でした。住宅で行う大理石の研磨は、どんなに頑張ったとしても官製はがきの1/3の程度の厚みしか削れません。通常、それでじゅうぶんに新しい面を繰り出せるわけですが、もし、嘔吐後から拭き取られるまでの時間が長く、大理石の深くまで腐食が進んでいたら…。薄く残る可能性が高いです。

新品同様、何事もなかったかのようにはならないと思います、と最初のお問い合わせの段階でお伝えし、ご了承頂いたうえで現場調査にお伺い。タイルの一番状況が良くない箇所を一部分、試しで研磨。お客様に仕上がりをチェックして頂きました。

「うゎ、すごい!ぜんぜん期待以上です!ぜひこれでお願いします」と、お客様。承知いたしました!

後日。作業、完了致しました。

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とろみのある光沢が、大きな窓からの日差しに映えています。なんといっても、この清潔感。すてき。

じーっくり見ると、猫の吐いた跡が薄く残る箇所もありますが、全体で見た印象では、あんまり目立たないかと思います。

30平米、工期は2日、スタッフの延べ人数は4名。

材料代も掛かりますから、相応の金額となります。しかし、床を張り替える金額からすれば10分の1にも全く満たないのです。これが、正しいメンテナンスの力です。

大理石の研磨に要する料金について、お客様が仰ったひとことが印象的でした。

「これで、猫のための部屋から人を招けるスペースに戻せます。30平米もの空間が、この金額で有益に活用できるようになるのですから、安いものですよ。」

ほんとうに仰る通りだと思いました。

日時:2014年12月 4日 PM 03:31
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