黒い御影石に固着した白い跡

東京都港区。タワーマンションの浴室、カウンター。黒御影石でカウンターがしつらえてあり、高級感があるデザイン。

分譲後ご生活されてから1年半。新築当初は、なめらかに光っていた黒御影石に、白い跡のような汚れがこびり付いて、お掃除しても取れない!と、お悩みの状況。

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ひび割れのような、シマシマのような…確かに白く、濁ったような汚れが、黒御影石の表面を、殻のように覆っています。触ってみると、わずかに凸凹しており、爪で擦ってみても、固くこびりついて取れません。

「この白いのって、何なんでしょう?」と、お客様。

これは、水道水に溶け込んでいるミネラル…例えばカルシウムやマグネシウム、ナトリウム、シリカのような金属です。カウンターは、シャンプーボトルやソープディッシュなど、小物が常に置かれている状態が多く、シャワーや掛かり湯がザブザブ上から掛かって、水分がその場に滞りやすい箇所です。御影石の表面に乗った水道水から、水だけが干上がって、ミネラルだけが残ったのが、この白く固くこびりついた「水垢」です。

「私の家のお墓は、こんな風になっていないのに…。なぜ家の中にある御影石の方が汚れてしまうのでしょう?」と、ご質問。

なるほど、関東以北では、黒御影石のお墓が多いです。木の陰になってコケやカビで汚れている様子は思い浮かびますが、こういうシマシマした感じの、こびり付いた白い汚れは、あまり目に付きません。

屋外では、主に雨水が降り掛かります。雨水や雪解け水は、ミネラルがほぼ含まれていない水です。対して、私たちが生活中にたくさん使っている水道水の水源は、河川・湖・地下水であることが主で、ようは、いったん地中を潜って、土中の成分を含みながら出てきたミネラルウォーターなんです。だから、雨水がジャバジャバ掛かる墓石よりも、水道水がジャバジャバ掛かるお風呂場の御影石の方が、こんな風になりやすいんです。

そんなお話をしながら、御影石の浴室クリーニング、お引き渡し。

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黒い御影石にくっついて覆っていた白いヒビ割れのような模様が、クリアになりました。艶々と、指で触ると滑らかな質感です。浴室の温かな色のダウンライトが、くっきりとまあるく反射して、高級感あふれるイメージに戻りました。

せっかくモノトーン・イメージのデザインで、ラグジュアリー&アーバンなハスルームなのですから、表面を覆ったくすみや水垢が付着に気づかれたら、このようにケアをされると素敵ですね!

水垢を、浴室クリーニングで、すっきりリセット。併せて「この汚れは何なのか」「なぜ付いたのか」「なぜ取れないのか」を、しっかりと知っていただくことで、黒御影石の美しさは、かなり長く保つことができると思います。

日時:2012年1月 9日 PM 04:33
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