京都の坪庭

カーペットについての記事が続きました。「ウチ、カーペットの部屋なんて無いし」と、思われた方も多いのでは!と、今になって気づいたので、別の話題を(笑)。

京都の私の祖母の家、お台所に続いて、もう少し。今回は「坪庭」を、ご案内いたします。

もっとも大きな居室から、お庭を眺めてみます。写真右側は、廊下。壁の向こうは、浴室とお手洗いです。竹のパーテーションの向こうには、御影石をくり抜いて作られた手洗いがあります。用を足した後は、柄杓で水を取り、手を洗います。画面奥に見えるのが、プライベートゾーン。仏壇があります。かつては炭屋であったので、店舗+店舗運営ゾーンとは、庭を挟む形で分かれてたんです。

kyonomachiya-nakaniwa.jpg

手前ガラスの引き戸、根元あたりには「水琴窟」がしつらえられています。音色は、「キラキラキラ〜シャラシャラ〜、ポェ〜ン、ポィ〜ン…」のような感じです。活字にすると何だかバカっぽいですが、真夏に聴くと、ちょっと涼しい気持ちになる音です。

この坪庭のかっちょいい点は、大きく2つです。まずは、廊下側、画面右に置かれた石。地面に埋まっている分量が大きい方がイケてる、ということから、この石、まるで氷山のように深くまで埋まっているそうです。そんなことは何でもないよ、と言わんばかりに、岩の上には、鋳造のカニのオブジェが親子で遊んでます。そして、画面左にある灯篭。本物の鞍馬石を使っています。鞍馬石には、微量の鉄分が含まれており、何十年、何百年と長く置くことで赤く錆が出てきます。その赤い錆がビンテージ的にイケてる、ということです。

スゴさをモロに見せることはダサい、昔から今まで持ち続けるところがスゴい。そういった価値観が京都の人には根強くあるように思いますが、お庭にもこのようにガッツリ表現されているんですね。

日時:2011年1月27日 PM 02:20
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