東京都目黒区のマンションにて、大理石の玄関タイルを研磨させていただきました。
高級仕様のマンションの関で多く見られる、シューズクローク棚下の照明。
新築後しばらくは床の光沢で明るさが増幅され、精緻な美しさを感じる玄関だったと思いますが、
大理石が黒ずみ光沢が失われている現状、照明の光が斜めから差し込むと、汚れや擦り傷などネガティブ要素がクッキリ見えてきます。
そして、石材研磨メンテナンス後の様子です。
汚れが除去されると、「実はこの石、赤みを帯びたベージュと赤銅色のマーブル模様だったのね!」と分かるようになりました。
天井のダウンライトの光もまっすぐ鮮明に映り込むようになり、玄関の明るさが取り戻されました。
同じ画像をズームで見てみます。
全体が黒ずんでいます。特に歩行量が多い玄関ドアから一歩目あたりは、マダラ状に濃い黒ずみが。
歩行の衝撃により少しずつ石が削られ、表面が荒れて細かな凹凸が出来ています。
この状態の大理石にナンボ光を与えても、てんでばらばらに散らばって打ち消し合い、
結果、「ぜーんぜん光沢が無いパッサパサのカッサカサな石」に見えてくるということです。
ダイヤモンドディスクで6~9工程にわたり丹念に研ぎ直すと、このように汚れた石も回復できます。
傷や汚れを除いて新たな面を繰り出し、なめらかに整えてゆくと、このように変わります。
メンテナンス前の画像と比べて注目していただきたいのは、石の色柄です。
大理石は、クラック(ひび割れ)模様 も大切な個性であり、天然石であることの証明といえます。
しかしクラックに汚れが入り込みますと、汚れのスジとして目立ってきます。
大理石の美しさのカナメ、繊細なグラデーションやマーブルも帳消しになります。
研磨前後の画像をご覧になりますと、大理石本来の色柄に、汚れのムラやスジがかぶさっていた事実がお分かりになるかと思います。
もしかしますと 「石の汚れや傷、それも味だから」 とポジティブに捉えられる方もおられるかもしれません。
今ある石が美しくない理由は汚れであって カビとか泥とかアスファルトの油っこいベトベト です。
それらは美味くもないし栄養もない。不潔で有害な部類のものです。
素材の魅力たる味わいは、ケアやメンテナンス無しには成立しません。
皮革や貴金属と同じく、石にもケアやメンテナンスが必要であり、その作業はウォッシュテックで可能です。
磨き直して、今ご自宅に張られている石のベストコンディションをご体感されてみてください。