陶製タイル デザインが進化すると、クリーニングは難易度アップ

前回の続き、陶器タイルのバスルームクリーニングです。

浴槽立ち上がり部分(湯船につかる時またぐところ)。タイルが汚れに覆われ、光沢が失われています。

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高級なデザインのマンション・タワーマンションに多く採用されるタイルの浴室も、ウォッシュテックではサラリとお引き受けしているので、「どのクリーニング業者も、そんなもんかな。」と思われがちですが、実はそうではありません。

ですので、ハウスクリーニング業者のリストから「掃除なんてどこも同じ。誰でもいい。やること同じなんだから、安くて頼んですぐ来てくれる業者を探すべき。候補は腐るほどいる。」そのように業者を選ばれると、失敗される可能性は高まります。

それが「今」のタイル浴室事情。と、知っていただきたいです。

今回は、「タイル浴室ね!ウチでも洗えますよ!」と言われて依頼し、後々ギャーとなる方が少なくない、という内容のブログです。

まず「最もよくある」のは、キレイにならない事例です。

気になっていた汚れが、ほぼほぼ解決されていない。

その場合、さほどギャーではありません。費用対効果が低い程度に留まります。

次によく伺うのは、「タイルの光沢がムラムラに変になった」というケース。これこそがギャーです。

このギャーは、ある一定レベル以上「腕に覚えアリ」のクリーニング業者が請けた現場で見られます。

タイル表面の、全面あるいは一部分が粉をふいたようにマットになり、質感が均一でなくなり、濡れてると気づかないこともあるけれど乾くとまだらが浮いてくる、場合によっては液体が垂れたような形やスプレーを噴いた箇所が分かる形にそうなっている、という状況です。

このトラブルは、酸性洗剤を適正に行使しなかったことによる腐食で 「事故」 です。

中には「掃除した結果。しょうがない。」と処理されている方や「業者が何かしたらしい。」と気にされない方もおられます。しかし実は、作業者の過失による事故です。

タイル表面の質感がおかしくなるクレームは、「酸性洗剤を使うことに抵抗が無く(←ここが腕に覚えアリの感じです)、近年のタイルの進化を正確に捉えていない」清掃業者が陥りやすいです。

陶製タイルといえば、昔のお風呂場や台所のコンロまわりの壁をイメージされる方も多いかと思われます。

ガラス質のうわぐすり(釉薬)が表面を覆って、ツルツルで、ちょっとやそっと擦ってもビクともしない、割らない限り使い続けられるタフな。

色は、白や淡いピンクやブルー。あるいは茶色や濃緑色、黒ベースのツブツブ模様。

しかし、ナウなタイルは違います。

このように微細なグラデーションで、木なの石なの?のような繊細な模様が施されています。

繊細なデザインと引き換えのような形で、表面の釉薬はとても弱く薄くなっています。以前のタイルと比べ、焼成温度やら組成やら工夫された結果かと思います。

表面が繊細になったタイルの進化を認識しない場合、僅かな変化に気づかないまま挙動がおおざっぱになり、そのため予想した結果と違ってきて、気が焦り余計な手数が増え、事故につながりやすくなります。

業務用洗剤のラベルには「タイル用」としか書いていない。何製の?どこに使われているどんなタイルか?具体的な解説は一切なし。もちろん、タイルなら何でもOKとも書いてません。

専門性が高い業務用洗剤を使うとき、目の前にある汚れと材質を擦り合わせるのは、現場にいる作業者自身です。

体系的な科学知識と蓄積した過去の経験、推測される生活においての汚れの付き方や建材メーカーのデザイントレンドなど、あらゆる要素をモジャモジャモジャと考えて 「史上いちばんイイ感じ、一歩先」 の結果を出す。

常に目の前にある汚れと素材についてアップデートし続けていなければ、あっという間に事故に。特に「タイルを白くする」トラブルは、触れるやいなや一瞬で起こります。

タイルや石やガラスの浴室クリーニングは、そのようにあんがい深刻な仕事を求められるわけなので、「掃除ごとき作業は同じ。結果も同じ。ならば、すぐ来る安い業者を探そう。」とすれば、トラブルを引き当てる可能性はおのずと高くなります。

不用意に酸性洗剤で与えられたダメージは、クリーニングでは回復不能。ウォッシュテックもギブアップ、何事もなかったかのように戻る可能性はゼロです。であれば、リスクは避けられてください。

かくして、クリーニング後のタイルの浴槽立ち上がり部分。

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社長・中島の掌と指がクッキリ。光沢感が回復。

ここでご注目いただきたいのは、画像手前、手のひらの色です。ビフォア画像と見比べてみてください。

前回ブログの通り、浴室全体がツヤツヤのキラキラに回復したため、同じ照明・同じ位置・同じオートマチックで撮影したにもかかわらず、浴室全体レフ板効果で光量が全く違ってきて、本来の肌の色に近く撮れたということです。

浴室という場所が「全く変わった」ということかと思います。

タイルの水垢は、どなたもお困りの汚れです。そして、取り除くことは難しい。

中には「業者に頼むと高くつくから、自分で!」とのお考えから、Amazonなどで業務用洗剤を入手してタイルにチャレンジされる方もいらっしゃるかもしれません。

自己責任だし、俺の資産だし、好きにやっていいじゃん、それはそうかと思いますが、いただくご相談の中で「一般の方が、やっちゃったトラブル」の方が、業者と比べエクストリームという事実もお伝えしておきます。

日時:2021年8月18日 PM 01:23
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