ユニットバスの壁面パネル。
2010年以降、木目調デザインを選ばれている方が多いように思います。
木目デザインの壁面パネルは、僅かに凹凸があるマットなタイプと、表面が平滑でツルツルしたタイプがありますが、今回はツルっとバージョンのお写真です。
ポチポチと白くこびりつく水滴の跡、全体にボンヤリとくすませて膜のように張り付いた水垢。
何となくカサカサ、ムラムラ、そして縦縞。
シャワーでザーッと水を掛けると、同じところに水が留まる...。そして、流れ落ちる道がある...。
本来ツルツルのパネルに、汚れが固着して凹凸ができていることが理由です。
わずかな凹凸に更に汚れが重なり、より大きな足場になり、やがては光の反射が乱れて肉眼でバッチリ確認できる汚れに育ってきます。
今回のお客様は早々ギブアップ派だったので問題ございませんでしたが、クエン酸を使うお掃除からのトラブルは少なくありません。
アルカリ性の水垢には、酸性のクエン酸で中和できるでしょ!と、全体に高濃度のクエン酸をスプレーしてラップでパックしたり、片栗粉で溶いてペースト状にしたクエン酸溶液でパックする...というお掃除をされる方がいらっしゃいます。
なぜなら、テレビや本に出てくるお掃除専門家が「こうすれば、すぐにピカピカ!」と繰り出す必殺技だからです。
しかし、私はお勧めいたしません。
クエン酸は確かに酸。
しかし、酸にもいろいろ性格があります。
クエン酸は、食品添加物。人間が適量食べるには安全ということです。しかし金属にとっては腐食を促すリスク、比較的高め。
浴室には、金属が混在しています。
水栓、シャワーバーはステンレスメッキです。鏡の裏は銀だし、パーツを接合しているのは金属のネジです。
いづれもバスルームには欠かせないアイテム。錆びてOKなものは一つもありません。
固着した水垢を何とかしたい気持ちなら、けっこう濃いめに溶くでしょう。そして安全だというイメージがあるので、量たくさん目に使うでしょう。
TVで言ってたクエン酸溶液の作り方では水垢がスッキリ落ちない...ならば、どんどん濃いめに作っちゃう。長めに時間を置いちゃう。さらには、全力でゴシゴシ擦っちゃう。
クエン酸は、シリカスケールに対してはほぼ無力といえる酸です。したがって、水垢は必ず残ります。
限られた時間や紙面の中で広く伝えねばならないTVや雑誌の情報には、「わーい!キレイになったー!」のゴールまで順調に辿り着かなかった時の対処法や危険性について、科学的なアナウンスが全くありません。
達成できなかった時点で切迫し、どんどん危険な方へ突き進んでしまうこともあるかと思います。
事実、ウォッシュテックには「やってもうたー!どうしたらいいのー」な方からのご相談も多いです。
「新品同様に戻すことはお約束できませんが頑張ります」としかお答えできない状況になります。
だから、お勧めではないのです。
ウォッシュテックの浴室クリーニング後は、水垢皆無。ツルっと平滑。
ニュートラルな壁面パネルになり、木目模様も清潔に見えてきています。
窓の形もクッキリ。斜めから陽光が差し込むデザインの浴室は、壁で「水垢のくすみ汚れによる生活感」が目立ちやすいように思います。
壁は、浴室で最も面積が大きい部分です。壁面パネルを清潔な質感に回復できれば、印象は大きく変わってまいります。
もちろん、完全乾燥した状態です。水垢は、濡れていると見えませんが乾くと目立つもの。しっかりと拭き上げ、乾燥後にお引渡ししております。
私どもはお客様から直接ご依頼いただくので、常に確かな結果を出さねばなりません。
科学的根拠に基づいて現場で的確な行動ができなければ、結果にリーチできません。
ステイホームな毎日が続きTVや雑誌でもお掃除特集がチラホラですが、このブログをご覧の方はクエン酸トラブル、ぜひとも回避で宜しくお願いします。