光沢が出ないはずの堆積岩タイルの光沢を出す その現場判断

東京都渋谷区のマンションにて、玄関タイルの石材研磨

中古マンションをご購入されて間もなく方です。内覧のときには靴がいっぱい置いてあったため玄関タイルのコンディションには気付かず。ご入居後あらためて見ると、パサパサで薄汚れた印象がたまらず、ウォッシュテックにご依頼いただきました。

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お打合せ段階で大理石のタイルと伺っていたのですが、現場で拝見すると堆積岩。

堆積岩は、ものすごくザツに説明すると、泥・砂・灰のような細かいものが積もって固まった石です。化石化したり熱変性した石ではありません。

もともと砂とか泥っぽいイメージの組成であることから、「堆積岩」と分類される石は、研磨しても光沢が出ないのであります。

しかし、お客様のご要望は「光沢を出したいです!鏡面にしたい」。

うーん。どうする?堆積岩を研磨して光沢を出す正攻法は、研磨の衝撃に耐えられるよう現場加工が必要です。その作業には1~2日を要します。そのぶん、かなり高くなる。うーん。しばし考える社長・中島。ふと横を見ると、靴箱の上の天板が床タイルと同じ石。でも、ずいぶん光沢がある。

...ポクポクポク、ちーん!(一休さん)

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できた!光沢が回復!

なめらかに、天井のダウンライトが真ん丸に映り込むようになりました。表面を覆っていたズズ黒い汚れも、一枚はいだように。石の鮮やかな色がクリアに見えます。

靴箱のカウンター天板の堆積岩タイル(光沢感あり)と同じものが玄関に張られている。

堆積岩は、通常一般的に光沢が無いマットな質感であるので、工場出荷段階で何らかの樹脂加工がなされているはずだ。堆積岩なので、樹脂はいくらか含侵(染み込み)しているだろう。

であれば、この玄関床タイルは、石そのものというよりも、樹脂の凹凸や劣化によりズタズタに汚れて見えている可能性がある。

堆積岩を硬化させる目的の樹脂だったら、石材研磨で光沢復帰できるかも。もちろん堆積岩であって大理石ではないわけだから望まれるレベルの鏡面にできる可能性は低いけど、うまくいけばできるかも。

という思考が、社長・中島のポクポクポクちーん!の流れです。

その旨をお客様にお伝えし、ご了承をいただいてのち、上の写真のような仕上がりに。

大理石なら光ります。でも、大理石でないなら?光らないかも!

石の種類は、多様です。住まわれている方ご自身も、何の石がどのように張られているか、お分かりでない方が多いです。石にマッチングしないお望みであれば、目的とする状況に達成しない場合もあります。その旨、ご説明することも重要な仕事です。

そういうこともあって、石の現場判断には、圧倒的な知識と経験が必要になります。石の現場は、その場その場でベストを引き出すべく、頭をフル回転しなければなりません。

今回は、現場判断が功を奏し、堆積岩でも光沢を回復させることができました、というお話です。

堆積岩タイルがガサガサだったらどなたもどうぞ、ということでは決してありませんが、ご参考まで!

日時:2017年7月11日 PM 02:53
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