業務用洗剤で多発しているトラブル

ネット通販、当たり前。そんな世の中になって久しい今日この頃。

マニアックな業務用洗剤もネットでサクッと購入できます。

そのせいでしょうか。ウォッシュテックに「業務用洗剤でやっちまいました」とご相談くださる方が増えています。

特に多いのは、「水垢を取ろうとして洗剤を使ったら、ステンレス or 鏡 or ガラス が変になっちゃった」というトラブルです。

ウォッシュテックで回復できる例もございます。しかしできないこともございます。なのでまずは、そもそものトラブルの数を減らしていただきたいなーと思ってます。

実際に状況写真をご覧いただきます。

sandeyaketakagami.jpg

写真中央あたり、ダラーっと垂れたような跡が見えます。これが鏡の酸焼け。鏡のガラス表面が、酸で薄く溶けている状況です。もちろん、すすぎ流して乾燥させた状態で撮影しています。

sandeyaketasink.jpg

こちらはキッチンのステンレスシンク。黒ずんで見える箇所と、パサパサと白くなった箇所が、まだらに目立ちます。ところどころ金属が腐食している状況です。

業務用洗剤にもレベル・グレード・クラスが存在するということはウォッシュテックの表紙にも書いてありますが、日本で入手できる酸性の業務用洗剤の多くは、効かないか取り扱い注意か、さじ加減が難しいものになっています。

誰でもネットでポチっとできるものでも、深刻なトラブルになりうるということです。

ところで私。プロフェッショナル用の製菓パン材料や画材のお店に行ったりサイトを見たりするのが大好きです。

サワー種を起こしてライ麦パンを焼く...その菌の温度管理はこう、粉は何をどうして...このタイミングまで待ってどう焼く...というのをシュミレーションするのが好きなんです。

ホルベインのパンパステルをスポンジで混ぜ混ぜして塗る、スポンジの形や力加減はこうでなければいけない...そのマニアックさにムラムラするのです。

私は、実際にパンを焼くのは、ホームベーカリーにドライイーストです。絵を描くのは、事務用のペンとフォトショップです。

なので、一定期間ものすごく集中してみているんですが、ふと、その道具や材料を満足に使える知識も設備もないなー。だいたい、それをやり遂げてどうする?突き詰めるだけの体力、ある?と、ハッと我に返って終わります。その程度のスキルということです。

道具や材料って、専門的になればなるほどに、「どういう目的で、どういうオペレーションをするか」が的確にイメージできる「人」を選んでくると思います。

道具や材料が自分の能力を増幅というか飛躍的に向上してくれることは、めった、ない。いくらハイグレードで専門的な製品を投入しても、自分の資質にフィットしたスペックでないと、思う目的に届かないし、道具に翻弄されて結局無駄になる。

※もちろん私、無駄にしちゃった画材、物置に多数死蔵中(笑)

パンは、誰でも作れる。絵は、誰でも描ける。ほんとうにそう。でも、これこそはという結果に達せる人は、そういません。

クリーニングは、どうでしょう。

掃除もまた、誰でもできます。

掃除もまた、製菓製パンや画材と同じく、間口が広い世界です。しかし奥はどんどん細くなっていく世界だと思います。キットや100均を使っても、それなりにできる。しかし一方、追求しようとするならば、相応の「高み」がある分野ではないでしょうか。

「どんな状況を、どのタイミングで、どの量で、どんな道具でアプローチするか。もしそれを怠ると、どのような事態に至る可能性があるか」が具体的に分からないなら、その洗剤は使ってはいけないです。自分の能力にミスマッチであれば、その洗剤の目的に達成できないと思います。

パンや絵なら、「これはマズいね~」と笑えば済みます。最悪、捨てちゃえば目の前から消えます。

しかし、浴室なら?キッチンなら?床なら?証拠隠滅は不可能です。交換するなら、ユニットバスの鏡1枚といえど数万円。キッチンのシンクや水栓ならば10万円はくだらない。床や壁では、数百万円の損失を出すこともあるのです。

いけるいける~何となくで大丈夫~。掃除なんて誰でもできることだし~。そのお気楽さの代償は、思いのほか大きいはずです。リスクを知ってください。

日時:2016年10月11日 PM 03:54
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