ウォッシュテックの業務を月ごとにご紹介

ペットの尿でツヤがなくなった玄関の石材(テラゾー)タイル

マンション、玄関の床。テラゾーのタイルです。

「テラゾー」を大雑把に説明しますと、大理石などの天然石を砕き、セメントで固めて作った人造石。混ぜ込む大理石やベースとなるセメントの塩梅により、色合いやマーブル柄を自在にデザインできるという特長があります。

大理石が塊で混ざっているので、やはり大理石特有の「繊細さ」が見られます。酸に溶けやすく、アルカリに黒ずみやすく、削れやすく崩れやすい。

こちらのテラゾータイルの床。ペットのワンコさんが玄関でオシッコをする癖があり、たまに吐くこともあり、タイルの表面が汚れて、ところどころ光沢が失せ、モヤモヤとマダラになって見えます。

黒が主体のテラゾーだけに、光沢の無い箇所がとても目立ちます。

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尿がこぼれた箇所は、白っぽく褪せて見えます。↑この写真を切り取って、ズームしてみましょう。

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滑らかで均一な石の質感が、白く粉っぽくパサついているのがお分かりになりますでしょうか。

侮るなかれ、オシッコの破壊力。蜂に刺されたらオシッコを掛けると毒が中和される、という豆知識が物語るように、尿はアルカリ性。単なる水ではありません。大理石を変質させるには、じゅうぶんなのです。

気付いた時に拭き取るようにしていたのですが、遅くて。そそうが繰り返されて、こんな風な状況になってしまって。どうにもしようがなく困っていたところ、ホームページでウォッシュテックを知って…。と、お客様。

さっそく、大理石用の専用機器で、光沢を復元すべくクリーニング&研磨の作業に入ります。

まず、表面に付着した汚れをしっかりとクリーニング。このクリーニングの作業は、石の状況を確かめるという目的もあります。どの程度オシッコが染み込んでいるのか、大理石の割合はどのくらいか…。

大理石の洗浄と研磨は、汚れや劣化の状況や石の加工具合が、世帯によってまちまち、まちまちというよりも、本当にバラッバラなんですね。仕様書には、ひとこと、「大理石」としか書かれていなくとも!ですから、正直なところ、実際に研いでみなくてはどの程度まで復帰できるのか判断できず、しかしどんな場合にも最善の仕上がりを追い求めて全力で頑張る、という、毎回そんな感じです。

作業終了後、テラゾータイルの玄関の床。

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ご覧ください、なめらかで清潔感がある仕上がりもってくることができました。上のズーム写真と同じ個所を切りぬいてみましょう。

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大理石の良さを活かした人造石「テラゾー」ですから、正しく磨けば美しい仕上がりに。

大理石やテラゾーを研磨するには、相応の機材や材料が必要です。それら道具類は安価ではありません。揃えたら、ひと財産。天然石の特性を正しく認識しつつ、そのお道具を正確に使って、ようやく結果を出せるに至ります。採算が取りづらく勉強せねば危ない目にあうことも多いため、ハウスクリーニング業者は大理石やテラゾーの研磨を敬遠しがちです。

他の誰でもやっていることではない、それゆえ毎回、悪戦苦闘です。今回は、黒色の染料が水でも溶け出してしまうという難しい性格のテラゾータイルでした。そのため、質感は滑らかに戻りましたが、染色以前、元々の石の色があらわれ若干ムラに見えてしまい、悩む。お客様にご説明をし、石の呼吸を妨げない光沢剤を塗布、耐水性を付加させることをご了承いただきました。

サラッと余裕で済まして自信満々、などという甘い現場など無いと実感です。もがいてのたうちまわって、これがベストの仕上がりです、と、ようやく顔を上げられる感じです。いいじゃないの、そうして磨いた床に、お客様のニコニコが映り込んでいるんなら。

石材メンテナンス王国・アメリカのテクノロジーを、今後もいち早くお客様のご自宅へお届けしてまいります。

2013年6月24日
在来浴室 床タイル 黒ずみとカビ汚れ

横浜市青葉区の戸建て住宅にて、浴室クリーニング

在来浴室の、タイル床です。

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床の中心がくりぬかれたように、大きく丸く、汚れの輪っかが出来ています。

風呂椅子を置いて座り、水栓から洗面器にお湯を取る、シャワースタンドに固定したシャワーで、シャンプーを流し、体をすすぐ。その動作が繰り返されていたこと、よく分かります。特に、前面の黒ずみが厳しい状況。

お風呂掃除というと、つい、浴槽のお掃除に力を入れがちです。お湯に浸かって、背中やお尻が直接触れるところであるので、ヌルヌルやザラザラが気になるところだからでしょうか。

しかし実は、お風呂掃除でいちばんキツく汚れているのは、床!カビ、水垢、石けんやシャンプーの残留物…さまざまな汚れを一番受けている箇所です。しかし、熱心に日々お掃除される方は少ない。

となると、気付いた時には、とてもとても手が出ない歯が立たないくらいの汚れに育っていて。

ガチガチに石のように硬い汚れがタイルの表面を薄く覆って、ブラシで擦っても洗剤を泡立てても、もちろん重曹やクエン酸でも変化なし。ブラシで目地の黒カビを擦ったら、白い水が出てきて、目地が削れて白いんだ、と気付いて焦った…。とのことでした。

浴室クリーニング後の、タイル床の様子。

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淡いブルーのタイルが、爽やかです!クリーニングをしてみると、全体に薄茶色の汚れが乗っていて、局所的に真っ黒のカビや水垢がこびり付いていたことが分かりました。

濡れるとヌルヌル、乾くとパサパサ粉っぽい、そんなふうな「汚れ」が覆って本来の姿を失っていたタイルの質感が戻っています。

目地があるタイルの浴室床は、カビを取りたい一心で、硬い毛のブラシでガシガシと擦ってしまう傾向があります。目地材は、タイル本体よりも柔らかです。削ろうと思えば簡単に削れて、どんどん痩せてしまいます。凹んで凹んで、ついには、タイルの角が指で触れるほど掘り込んでしまっているという浴室も見られます。

目地は、いったん削れたら戻ることはありません。タイルとタイルを繋ぐ大事な働きも失ってしまいます。

取れない洗剤を使うから、汚れが残る。洗剤が効かない、けど、汚れを消したい。だから、洗剤を頼らず強力な道具で、削ってすりおろして消せばいい。

これは、ご家庭でされるお掃除では当然のこと、掃除でメシを喰っているハウスクリーニング業者であっても、やってしまいがちなこと。

すぐに成果が感じられて、ああ気持ちいい。私は掃除が上手だな。…って、誰だって思いたいもの。

でも、削り取らず落とせる方法は、ここに確かにあります。目地だけでなく、タイルも清潔に鮮やかにできる方法。

ウォッシュテックのやり方は効率が悪い。儲からない。自分はそんなやり方はしない。そこまでこだわることに意味などない。お客さんは、そこまでのものを望んでいない。いろんな同業者から、そんなふうに言われたりします。笑っちゃいても、ハートブレイク。モヤモヤした気分のまま現場に入り、全力頑張ったクリーニング後、タイルを愛しげに撫でてホゥっと溜息をつかれるお客様を実際に拝すると、そんなモヤモヤ、すっかりなくなっちまいます。そしてようやく、こんな自分でも、色々と応援して下さる方は沢山いるじゃんか、と次々思い浮かんで、また生き返る。

くじけてもくじけても、現場で生き返りたい。だからウォッシュテックは、何があっても、今、目の前におられるお客様のため。現場「命」なのです。

2013年6月 8日

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