換気扇のアルミを傷めないハウスクリーニング

先日、油汚れは金属を脆く弱くしてしまう、腐食に強いステンレスにすら穴を開けることがある、というお話を書きました。

現在、ウォッシュテックではキッチン換気扇を含む油汚れに関するハウスクリーニングで強いアルカリ性を使わない、「換気扇の油汚れディープクレンジング」クリーニングを推進しています。

ウォッシュテック換気扇クリーニング関連記事:キッチン換気扇のディープクレンジング苛性ソーダを使わないキッチン換気扇クリーニング

なぜ何度もしつこく「強アルカリを使用しないキッチンハウスクリーニング」を推奨するのか。それは、酸性の油汚れと同じく、アルカリ性の薬剤もまた、金属を脆く弱く腐食させてしまうことを知っているからです。そこに配慮したハウスクリーニングが、他にはないからです。

こちらの換気扇をご覧ください。表面に油がベットリ黄色く覆われているアルミ製シロッコファンです。2年ほど前、マンション管理業者経由で仲介されたハウスクリーニング業者に、年末大掃除シーズン、換気扇クリーニングを頼まれたそうです。
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さっそく換気扇を熱したディープクレンジング液に漬け込み、油汚れを浮かして溶かしていきます。強いアルカリ薬剤で漬け込むとすぐですが、マイルドなこの方法は、それと比べると少し時間が掛かってしまうので、キッチンクリーニングの一番始めに行ないます。
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クリーニング溶液が茶色っぽく変わってきました。さて、そろそろ油汚れが溶けたかな。(ちなみに、強い薬剤ではないので、漬された換気扇は、素手で触って引き上げることができます。)うん、銀色にが戻った…あれ?!何これっ。
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アルミの表面がまだらに黒くなっています。これは実は、アルミがアルカリで焼けた跡。腐食した箇所が黒くシミのように見えています。

2年前、別のハウスクリーニング業者が換気扇を強アルカリの過激な洗浄を行なったことでアルミの表面が荒れて凹凸に腐食、錆びのように2年間かけてジワジワ広がり深く進んだ跡です。

一般的なハウスクリーニング業者が行なう強アルカリ(水酸化ナトリウムなど)を使用する換気扇クリーニングでは、漬け込みの際また改めて表面を腐食させるので、新たな凹凸ができて「質感が整った、きれいになった」かのように見えるのですが、弊社のディープクレンジング方式では表面の油汚れだけが取れますから、2年間でアルミに与えたダメージや腐食が、このように如実に見えてしまうのです。

実は、強いアルカリ性の薬剤を触れさすと、後から水で濯いでも、弱く溶けやすい金属であるアルミは着実に傷み、そこからの腐食を止められません。

できた凹凸は徐々に深くなり、凹凸に油汚れがガッチリ食いつき、汚れやすく、取れにくくなります。油汚れが長期間付着すると?こんどは酸でアルミにダメージが…。弱く脆くなってしまいます。

さらに、強アルカリ洗浄の場合、製品出荷段階(新品)時にアルミ換気扇に施された、汚れの固着や錆びを防ぐコーティング材も溶かして剥がしとってしまいます。むき出しのアルミにしてしまうことで、ハウスクリーニング前より確実に表面は弱くなります。

ウォッシュテックのキッチンクリーニングは、このような知らないうちに進んでいる腐食を止める働きがあります。新品の時に確かにあったコーティング作用を大切に長く生かすことができます。

「うちは毎年、換気扇ハウスクリーニングを頼んでいるから」と思われている方。お宅の換気扇は、どうでしょう!?業者から、どんな方法で、何をされているか、ご存知のうえで頼まれていますか。

今回の換気扇クリーニングをご依頼いただいたお客様のお話によりますと、

シロッコファン洗浄のみの料金6000円。マンション一斉に清掃業者が入り、換気扇を分解、シロッコファンを屋外に持ち出し、次々に強アルカリの洗浄液に漬け込まれ、別のお宅の換気扇を入れ間違えないようマーキングし、順番に取り付け…えっ?シロッコファンだけ?1時間くらいでハウスクリーニング完了?このギトギトの換気扇が入っていたケースや、溝や裏側に油が滴っているレンジフードは?それじゃあ6000円出したって高いじゃん。もっと細かいところまでしっかり掃除して欲しい…とネットで調べられ、弊社にご依頼くださったそうです。

私もマンションの回覧や新聞店仲介の5000〜7000円の換気扇クリーニングのチラシを見ることがありますが、どういう作業で何をやってこの料金なのだろうかと常から疑問でした。実際に頼まれたことがあるお客様から作業の様子を伺って、納得です。あぁ、それなら仲介業者にキックバック3割持っていかれても全然儲かる。うまい商売だなぁ。と、膝を叩きました。

このように、「住まいを長く使えるかどうかは不問」というハウスクリーニングも、世の中にはたくさんたくさんあります。だから、きっとそういう清掃と出会う回数も多いでしょう。その中でもし、ほんとうに正しくクリーニングして物を長く使っていこうとするならば、そういった業者を注意深く避けていくことだと思います。

日時:2010年8月 1日 PM 02:01
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