苛性ソーダを使わないキッチン換気扇クリーニング(厳しい油汚れ編)

換気扇のハウスクリーニングをする業者の多くが、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)という強いアルカリ性の薬剤を使用しています。苛性ソーダ…オリーブオイルやココナッツオイルの脂肪酸と化合させ脂肪酸ナトリウム(純石鹸)にする「手作り石けん」の材料としてご存知の方もいらっしゃるかもしれません。また、中華料理屋さんや焼肉屋さんにお勤めの方もご存知かもしれません。

苛性ソーダは、高濃度で使用する場合、目に入れば失明の恐れがあり、皮膚や髪を一瞬で焼く、ひじょうに強いアルカリ性の薬剤です。多くのハウスクリーニング業者は、ハンコや拇印をついて純度が高い苛性ソーダを買い、お湯にドバッと入れて溶かして、換気扇を漬け込み、油汚れを溶かし取ります。苛性ソーダを高濃度で使うほどに短時間で手早く汚れが浮き上がるので、どうしても過剰に使いがち。その結果、強いアルカリによって、アルミ製の換気扇はまだらに焼け、表面を傷めてしまい、汚れの固着を促進する凹凸を作ってしまいがちです。

ウォッシュテックは、以前にもお話しましたとおり、「脱・強アルカリ」のハウスクリーニングを目指しています。危険な薬剤を用いない、対象物を傷めない、そんなハウスクリーニングを追求しています。混ぜ物が無い苛性ソーダは、とても安いです。でも、怖いし嫌い。使い続けたくない。私は、そう考えています。

前回、比較的軽い油汚れの「油で油を落とす・強アルカリを使わない」キッチン換気扇クリーニングの写真をアップしましたが、今回は、もうちょっと厳しい油汚れ。

日本では、1〜2年おきにハウスクリーニングを頼まれる方は、そんなに多くありません。築5〜10年あたりで、ご依頼くださる方も多くいらっしゃいます。その場合のキッチン換気扇は、ゆるいベタベタした油汚れだけでなく、焦げ付き炭のように固くへばりついた油汚れが全体を覆っている状態です。油の焦げの凹凸に取り付くようにネトネトした油汚れが付着して、シロッコファン(換気扇・回転する羽の部分)からファンカバー(換気扇を内蔵するカバー)へ、更にはダクトへ…と汚れが積み重なり、奥へ奥へと進んで行きます。換気扇から油が滴るほどに汚れた状況は、換気効率が著しく低下。油を好むゴキブリなど害虫の温床となるばかりか、火災の原因になる可能性もあります。さぁ、張り切ってレッツ・ハウスクリーニング☆

ファンカバーごと、外して取ります。シロッコファンは茶色いベタベタ油汚れが全体に付いています。ファンカバーは、黒いコゲコゲで凸凹。触るとネチャッとします。酸化した油の臭い。コンロから上がったミスト状になった油分をファン(換気扇)が吸い上げ、ダクトに誘導、屋外に排出されるわけですが、その途中のカバーも油分を受け止めて汚れています。
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オイルクレンジングを直接塗りつけて、しばし放置。焦げと油汚れをふやかします。その後、ヘラで丁寧にこそいでいきます。通常は赤いスポンジたわしって使わないのですが、今回は厳しいところに補助的に使用しています。濡らしてソフトに擦るのがミソです。
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細かなパーツ類は、お湯に漬け込んでディープクレンジング。漬け込み槽の底から、こんな油汚れ玉が採取されました。まとめてゴミとしてお持ち帰り。お客様の排水口には流しません。
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換気扇クリーニング終了。油汚れと臭いを洗い流し、アルミの灰色が戻りました。苛性ソーダ無使用のハウスクリーニングですから、もちろん、アルカリ剤による焼け、パサつき、マダラ模様は、出てません。
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ウォッシュテックの換気扇クリーニング、キッチンクリーニングは、適切な期間で気軽にハウスクリーニングを頼んでいただきたいという思いから、同業他社ハウスクリーニング相場より若干安い料金設定にしています。苛性ソーダを使う換気扇クリーニングは材料費がとても安くつくので、経費と利益を考えると少し後ろ髪引かれますが、「お客様のお住まいを傷めない安全なハウスクリーニング」を貫くんなら、しょーがないヨネ。

日時:2010年7月11日 PM 10:56
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