レストレーションのアンチエイジング効果について

こんなんなっちゃってますけど、キレイになりますか?元に戻りますか?

と、ご相談いただくことが少なくありません。

差し上げる回答は、たいていこうなります。

材質・コンディション・お悩みの度合い・気にされている箇所など、状況様々なのでその都度ですが概ね要点3つ。今一度ご検討いただくための材料をお戻しします。

1)新品同様・何事もなかったかのようには戻りません。

2)クリーニングでは既に生じた劣化や損傷は改善しません。

3)万全を期されるとすれば、交換がベストです。

...。

ウォッシュテックの回復型ハウスクリーニング(レストレーション)は、表面に付着した汚れを徹底的にクリーニングすることで、現状からみて可能な限り、工場出荷段階の機能性に近づける作業です。

その中で、表面に汚れが付着していた期間が長ければ長いほど、付いている汚れが強ければ強いほど、回復率が下がる傾向がございます。

そのため、回復型ハウスクリーニング・レストレーションの範疇では、ほぼほぼ変化なし(ゆえに交換にシフトすべき)という判断もあります。

なぜか?

実は、その汚れに対してケミカル(洗剤)やツール(道具・機器)が無いとか、汚れを落とす方策が無いから...というわけではありません。

汚れが強くなる...それを凌駕する勢いで、付着している対象物が弱くなるんです。

汚れによって、素材が脆く崩れやすく変質するということです。

長い期間、例えば5年とか10年、あるいはそれ以上...メンテナンスがなされていない状態では、汚れも長期に亘って密着しています。

家事的なお掃除やハウスクリーニングではフォローしきれない箇所・部分は手付かずで残っています。

難易度の高い汚れは完全に除去されず徐々に蓄積されてゆきます。

汚れは、中性ではありません。

重層やクエン酸のお掃除をご存知ならお分かりでしょうか。例えば、石けんカスや油汚れだったら酸性に、水垢だったらアルカリ性に傾いています。

排ガス、カビ、バクテリア、皮脂、尿...どんな汚れもpHは不安定...。

そのような汚れに長年ピッタリ密着され包まれていると、どうなるか。

金属は錆びます。アルミも、メッキも。ステンレスもグレードによっては板を突き抜けるほど錆びます。ネジやビスは切れます。

塗装は腐食して、剥がれ落ちるように浮き上がってきます。そっと撫でるだけでヌルっとズレ落ちてしまいます。

樹脂はフガフガに脆く、柔軟性が損なわれ、質感や色に変化が現われます。樹脂の劣化ってどんな感じ?開くだけでパキッと割れる洗濯バサミや、パサパサして伸びなくなったヘアゴムをイメージしてください。歪めて外す部品では力を加えるやいなや粉々に割れてしまいます。FRP製浴槽で水面あたりの高さに黒い跡ができたりするのも劣化です。

不衛生とか美しくないとか、気持ち良さのレベルではなく、「破壊力」が発動してしまうんですね。

汚れのパワー侮るなかれ!

そんなわけで、汚れ続けていると、圧倒的に壊れやすくなってしまいます。

破損の可能性を予見できる場合、ウォッシュテックでは速やかにお客様にそのリスクを開示、マイルドな方法に変更、スキップ、ギブアップなど回避することになります。

ガンガン攻められないコンディションでは、やんわりやんわり、恐る恐るです。外して内部を目視する事すらかないません。それゆえ、回復度は低めになるということです。

諸行無常、どんな高価で丈夫な内装・設備も、毎日毎日生活して使っておれば必ず衰えてゆくものです。

しかし、汚れ続けている・定期的にメンテナンスをしていない世帯は、衰えが加速的です。

早い話が、やってるかやってないかで、全く違った未来になるということです。

これは、コンセプト変わらず18年、お住まいを定点観測し続けてきた私の実感です。

まだ築浅、新しい状態の方にとっては、かなり先の将来を見据えての話になるかと思います。

なので、ご予算許せばですけれど、築3~4年から定期的に手当てされてゆくのがベストタイミングかと考えています。

毎回同じ箇所でなくても良いと思います。今回は浴室とトイレ、その次はキッチン、その次は床...と順繰りにされるなど、どなたもできることから工夫され継続されているように思います。

ノーメンテということはノーチェックということにもなります。自分では気づかない不具合や違和感を知れたら「今後の改修計画の見通し」もできてきます。毎日使う設備がいきなりポックリ動かなくなるのは、本当に本当に大変ですから...。

これもご予算によりますけども、お掃除やりたくないけどどうしても汚しちゃう方は、クリーニングの際に併せてコーティングをされておくと、汚れの密着から数ミクロンの厚み、表面をガードできます。

汚れの密着・固着を水際でガードってのも、これまたアンチエイジング...と、実感します。

お声掛けがもう少し早ければ、アグレッシブな手を打てたんだけどなぁ...と思うお問い合わせは、実は少なくありません。

また、パッと見とてもきれいなんだけど、中を開けたらシビアコンディション...表面の掃除は十分だが、ご存じない部分に手付かずの汚れが長期間残っていたため劣化が進んでいた...という状況も少なくありません。

汚れは単にキタナイだけではありません。ものが壊れやすくなることも知っていただきたいなと思います。

日時:2021年2月 8日 AM 11:31
このエントリーをはてなブックマークに追加

新着ブログ記事

過去のブログ

Page top icon