カーペットの汚れ図鑑 部屋の隅の黒い染み/フィルトレーションソイル

敷き詰めカーペットの隅っこにある、黒い染みのような汚れ。

ウォークインクロゼットとの境、部屋の仕切りの縁、巾木との境界などに見られます。

「なんだ?天井から黒い汁でも垂れているのか?壁にドンで置いてた家具の足から何か染みた?まさか霊的なアレ?」などと部屋のあらぬ方向をキョロキョロしてしまいますね。

気付いた時から急に気になる、この黒いシミ。今回は、この汚れについて解説してみます。

carpet-filtrationsoil.jpg

名前は、フィルトレーションソイル(filtration soil)です。

フィルトレーションは、フィルター…「濾過」と捉えてください。ソイルは汚すとか染みを付けるのようなイメージです。

超ザックリで説明しますと、

空気中に漂っている環境汚染物質が、カーペットの端っこを固定する金具(グリッパー)の磁性に引き寄せられて長期に亘り蓄積したもの

なのです。わー、サイエンス。超微粒子が金属に集まるという化学実験室的な事態が、まさか私の家のリビングや寝室で着々と進められていたとは。と、驚かれる方が多いです。

carpet-filtrationsoil-door.jpg

金属の近くかぁ…と探してみると、例えばドアストッパーの鉄部根元あたりにも同じ汚れが見つかると思います。

環境汚染物質とは、ほぼ排ガス。炭素を含む物質です。なので、黒いです。

問題なのは、カーボン(炭)は、洗浄での除去が極めて難しいということ。衣服に墨汁(墨の黒はカーボンです)が飛んで何度洗濯してもビクとも薄まらなかった経験、ありますでしょう。とても落ちにくいんです。

ウォッシュテックのカーペットクリーニングにおいては、フィルトレーションソイルに対応した専門的な洗剤を装備しています。

しかし、この洗剤は、作用が強いため、繊維が繊細で変質しやすいウール(ウール混を含む)には使えません。

そして、必ず機械を正しい位置に当てて使わねば効果を出すことができません。お部屋の真ん中であれば正しい位置に当てられるのですが、キワや隅っこだと機械が歪んでキッチリ当たらないんです。

それゆえ、もし、お客様から「この黒いシミは取れますか?」と、ご質問を頂いた場合、

「化繊で、端っこでなければ問題ありません。しかし、端っこは、薄く残る可能性が高いです。ウールであれば、ほぼ洗浄後も変化なしになります。

墨汁のような色素はクリーニングしても残りますが、カビや油分など不衛生で心配な部分は解消できますよ。見た目を最も重視される場合は、再度ご検討ください。」

と、お答え差し上げています。

世界トップクラスのカーペットクリーニング業者ならば、同じくこのように答えるはずです。

ちょっと厳しめのことを言うカーペットクリーニング業者であれば、「かなり長期に亘って少しずつ堆積する汚れなわけですから、適切なタイミングで正しくクリーニングをしておれば、出ない汚れですよ。これはメンテナンス不足。あなたの責任です。」と付け加えられる可能性が高いです。正論だけどキツイ、でも正論です。

一瞥して即「落ちます」と答える業者は、この汚れが何であるか分かっていない。(ゆえに色々奮闘するも落ちないという結果になる)「落ちません」と答える業者は、フィルトレーションソイルに対応する洗剤が存在することを知らない。

この黒いシミは、カーペットクリーニングの技量を計る、いわば「踏み絵」的な汚れであると考えて良いと思います。

一般の方々におかれましては、マジックリンやマイペットでゴシゴシされても全く変化ございませんので、いや、それどころか洗剤でカーペットの色褪せや変色してしまう恐れも出て参りますので、そっとしておいてください。

まして重曹では、必ず隙間に重曹のツブツブが入り込んで残留しますので、絶対におやめください。

もし、空気がキレイな地域から来られた方に「この黒いシミは…?」と訊ねられたら、これはね、カーペットの下にある金具のグリッパーがね…って説明してあげてください。

この汚れが見られるのは、都市部だけですから。

日時:2014年12月15日 PM 03:31
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