嘔吐で大理石が溶けた!2

前回記事、東京都目黒区タワーマンションの玄関たたき、大理石(マロンブラウン)に嘔吐された跡がついた、の続きです。

大理石の表面全体に質感を均したら、次は、もう一段階細かな研磨剤で磨いてきます。

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前回ブログに掲載した、最初に磨いた状態よりも、光沢が少しアップしたの、お分かりになりますか!嘔吐の跡も段差もなくなっています。

掲載スペース上カットしましたが、何度も水気を拭き取っては手で触り、目で透かして見て、イマイチのところには研磨を繰り返しています。機械を使って効率化を図っていても、手と目の感覚が頼り。根気が要る作業です。

さて、ラスト!光沢を新築引渡し時のレベルまで持っていきます!

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…完成したところ、撮り忘れました(笑)。夢中になっていてカメラを忘れるの、ありがちー!失態ー!すみません、すみません。

作業終了後、お客様にじっくりご確認いただきました。いつもはそんな姿勢で床を見ないでしょう、というような視点からも見ていただきました。「うん、これなら吐いた跡が見えません。元よりキレイになりました!なんだか大理石の柄が鮮明になったように思います」とご納得いただけたので、仕上がりは上々だと思います!信じてー(笑)

ビフォアアフターのアフター写真が無いのに、今回、何を伝えたかったのかと申しますと…、大理石は、思いのほかヤワいということです。

お客様から伺ったお話で印象的だったのは、「何とか吐き気を我慢しながらカーペットの共有廊下を掛けてきて、玄関に入ったところで、石の上だったら大丈夫だろうと判断して吐きました。その続きでフローリングの上にも吐きましたが、当初、フローリングは木だから、もう傷んで跡が残ってダメかもしれない、と思ったんです。でも、樹脂ワックスもきちんと塗っていたこともあって、フローリングは拭けば全く影響がありませんでした。予想外だったのは、石です。石の方が弱いなんて。」というお言葉でした。

大理石は、高級仕様マンションの玄関たたきや、洗面室の床やマンション共有部エントランスの床などに多く採用されている、馴染み深い天然石です。

「石なんだから、丈夫だろう。丈夫だから床に使われているのだろう」と、思われがちですが、実は、とても脆くて軟らかく、とても溶けやすく変質しやすい石なんです。

ものすごく雑に、かつ極端に大理石の弱さをイメージして頂くとすれば、「グラウンドに白線を描くときに使う石灰みたいな石」かと思います。中学の化学の実験で、酸を垂らすやいなやすぐに染み込んでショワショワと泡立ちながら溶けていた、あの石灰のかけらを頭に浮かべてみてください。

大理石は、白木のように水分を吸い込む。酸に溶けやすい。軟らかく、脆い。なんとなーくイメージできましたか!

そのような性質の石であるので、輝きを失いやすく、汚れやすく、傷つきやすいです。しかし、大理石には、磨けばツヤツヤと輝く、という特性もあります。ですから、美しく維持するためには、定期的で的確なメンテナンスが不可欠となります。そのもの自体がわりあいと安価である大理石が、「高級」「贅沢」とされるのは、「正しく手入れすることができる専門業者を、周期的に頼める財力がウチにはあるんですよ。その証拠として、ウチの大理石の床は、常に光り輝いているんですよ」ということなんだと思います。

日時:2011年4月14日 PM 10:15
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