できてる方こそ

社長の母は、かなりのキレイ好きというか、常に家の中を家族以外に見られてもOKな状態に整えており、賃貸に住んでいるときもハウスクリーニング業者に換気扇クリーニングをしてもらっていたり、お掃除に対しての意識が高いです。

毎日トイレ掃除を欠かしません。大小のブラシを使い分け、市販の洗剤を掛けてこすり、トイレクイックルで拭きます。主婦の鑑であります。

ところがある日、社長が「トイレやったげるよ」と、いつも母が使っている道具と、持参した業務用洗剤で軽く掃除してみたところ、ボロボロボロ〜っとウォシュレットと便器の縁から尿石が剥がれ、モワモワモワ〜っと赤いカビ、黒いカビが落ちてきた!

「いつも掃除してるし、キレイだったでしょ?」と自信ありげに様子を見に来た母に対し、「いや、これ。見てみ。汚れてるよ」とデロデロの便器を指差す社長。うわっ!という母の悲鳴。

一部始終見ていた私は、思いました。

自己申告の「私、掃除できてる」「掃除、ちゃんとやってる」って、分かんないもんだな。できていると思っていても、熱心にその動作を繰り返していても、努力が成果に結びつかないこともあるんだな。と。

たとえば毎食後ちゃんと歯磨きをしていても、虫歯や歯槽膿漏になるってこと、あるもんね。

歯科検診の際にもらう「この位置が歯並びの具合から上手に磨けてないから、重点的に気をつけて歯磨きしてね」という歯並びの図を見て、意識しながら磨くようにすると、磨き忘れや磨きもれの癖が改善されるのかもしれないけれど、

掃除の場合、一生涯そういう自分の癖を知ったり具体的なアドバイスがないまま、過ごすことも、ままあるもんね。

お掃除において、見えるところは完璧、でも見えないところや機械が入り組んだところは、ゴッソリ汚れが溜まっている…汚れはない、でも、力を入れて擦りすぎて素材ごとえぐれてしまい、全体に光沢が無く傷だらけで復旧できないレベルまで劣化している…これらのトラブルは、的確なお掃除アドバイスを早くに得ていれば、避けられることです。

そういうことがあって、私は、ハウスクリーニングは、単に汚れを落とすだけの仕事ではないと考えています。家の中にある汚れ、掃除で陥りがちな癖、素材の特性、を何千と見てきた身として、アドバイスできることは、たくさんあると考えています。

誤ったお掃除方法を続けていけば、ダメージは深いです。必ずリフォームで大きな出費をすることになります。打ち合わせ、調査から施工まで、時間が掛かることを、私はリフォームの施工管理を承る立場から、身に染みて知っています。それと比べたら、ハウスクリーニングは、「検診」「ウォーミングアップ」に近い手軽さだと思います。

ハウスクリーニングなんて、頼まないわ。自分で掃除やるわ。できるし。と、仰る方も多いのですが、
そういう方の家こそ、そういう方こそ、ほんとは呼んでいただきたいなぁ、と思うのです。

日時:2010年9月13日 PM 04:52
このエントリーをはてなブックマークに追加

新着ブログ記事

過去のブログ

Page top icon