読書レビュー「くうねるところすむところ」

平安寿子(たいらあすこ)著/文春文庫


不倫とハードワークがいっしょくたの職場に疲れた女性が、鳶の一人親方の男性に一目ぼれ、工務店にとらばーゆ。リストラからの人員不足と慣れない社長業で手一杯の女性社長から現場監督を任されることに...のようなお話です。

工務店って何するとこ?ハウスメーカーやデベロッパーとの違いは?

そんなイメージもやもや中の方に、おすすめです。

工務店の仕事は、主に「手配」「采配」。なので、優良な施主かどうかをいち早く見極めて、難しい、面倒な施主には相応の態度で接します。そういうちょっとシビアなとこも「くうねるところすむところ」には描かれています。施主(お客様)側でない、「受注する側」の目線ってどんなものか共感しやすい作品ではないでしょうか。

主人公・見習い社員の梨央ちゃんと、女社長・姫の性格は、「正反対」という設定のようですが、「アタシのせいじゃないのに!しょうがないでしょ!」とキレまくり吼えまくるのはどこか似通っていて、常にせっぱつまり気味。はったりカマして突っ走るところは、どっちも揃ってチト危なっかしいです。しかしもちろん、女性の成長冒険物語、ほんのり恋愛も...な小説ですから、読後感は爽やか。お若い娘さんにお勧めの一冊です。


日時:2010年5月11日 PM 12:51
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