タソスホワイトの玄関タイル 大理石の汚れとパサつきを回復

東京都千代田区のマンション。玄関に貼られた大理石タイルの汚れと光沢の失せに対処してまいりました。

大理石の石種は、タソスホワイトです。

tasosuhowaito-beniyasitaji0.jpg

このマンションの玄関タイルは、ベニヤ板を下地にされており、目地はコーキングです。

石材研磨では、必ず水を打った状態でダイヤモンドディスクを高速回転させることから、下地がベニヤ板であると、隙間から入り込んだ水がタイルの裏から回って石の表面に浮き上がり、濡れたようなヘンなシミが出るトラブルが発生しやすいです。

石を扱う技術に難がある施工業者である場合、ダンゴ張りといってボンドをベチョッベチョッと一部分に盛るようにつけてドンっとタイルを置くように貼り付けていることが多いです。

石材と下地は、あらゆる可能性を考えて「絶対あいまみえない」ように施工する必要があります。

しかし、ベニヤ板にダンゴ張りでは、隙間がスッキスキで水が回りやすく、濡れたらアウト。だいたいダンゴ張りの大理石タイルは目地の処理もアマめ。コーキングの柔軟性を保つために添加されているシリコンオイルが既に大理石に染み込んで酸化してシミになっていること(オイルブリード)が多く、作業中のお水がじゃんじゃか入ってしまいがち。

現場で石材研磨をおこなう業者とすれば、とてもリスクが高いです。

※専門知識が不足していても石材タイルを扱うことができる日本の建築においては、その後のリスクや問題を軽視されており、タイルを張ったヒトより、後からシミを作ったヒトが罪を問われる傾向があるためです。

そのため、石材研磨に適していない状況と現場調査時に判明すれば避けるのが通例です。

※いちばん困っていらっしゃるのは、オプションではなくデフォルトで大理石タイルが敷かれているマンションいお住まいの方ご本人だと思いますけども、研磨後に深刻な状況に置かれると予測できれば、致し方ありません。

しかし今回は、マンションの床を実際に拝見しますと、ボンドが櫛目(専用のコームで均一に接着剤が塗付されている)で、目地材に使用されているコーキングも密着促進剤が的確に施され、オイルブリード(シリコンオイルの染み)も全くなし。

よーし、いこう!

こちらの写真は、半分くらい終えたところ。

差がクッキリ。いかに汚れてパサパサ曇っていたか、分かりやすく撮れました。

tasosuhowaito-beniyasitaji0-1.jpg

5段階のダイヤモンドを当てて1枚1枚研磨してゆくのですが、上記の理由から「おどおどペース」で進めているので、いつもより時間が掛かっています。ちょうどここでお昼となりました。

石材研磨の作業、完了。

tasosuhowaito-beniyasitaji1.jpg

下地がベニヤと聞いただけで「あ、うち、できません」とお断りする石屋さんが一般的です。

かといって、できますよ、と簡単に応える業者は、石を扱うリスクやタイルの施工方法について身に染みていないである可能性が高い。

だから、「大理石が汚れて光沢が無い」のに「手の施しようが無い」とお困りの方が多いと思います。

しかしたとえば、今回の現場のようなこともございます。ウォッシュテックがお力になれれば幸いです。

日時:2016年5月 2日 PM 06:32
このエントリーをはてなブックマークに追加

新着ブログ記事

過去のブログ

Page top icon