籠太さんとランチ

雑誌の特集で「日本10大居酒屋」と取り上げられたり、太田和彦さんの「居酒屋百名山」にも掲載されている、会津若松の「籠太」さん。

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伺った翌日、マスターの鈴木さんからお誘い頂き、ランチをご馳走になりました。

雪が真珠のように輝いている田園を駆け抜けて、ウミガラスが飛来するというキレイな川沿いの、砂利道を進んだ先にある、知る人ぞ知るイタリアンのお店。街中や駅近な立地ではないのに、満席です!

パスタとトリッパのソースにパンをにじくって、夢中で(意地汚く?)跡形もなく平らげました。「旨そうに食べるねぇ〜」「はい、おいちーいから!」。「幸せそうだね〜」「はい、幸せだから!」。子供か!(笑)。

丹精込められて、やっと実った野菜やお肉の命を頂く。その命を最大限に活かそうと、努力とテクノロジーを駆使する、その人間の情熱を頂く。その全てが、私の血となり肉となる。「自分の力を全て使って人を喜ばせたい」と、祈るような思いが込められた一皿一皿に、打ち震えるような喜びを感じます。

マスターにも、その嬉しさが伝わったのか、「写真、撮っちゃおっかな」と、すぐにIphoneで撮影。後日ブログにアップしてくださいました。タイトルは「幸せな二人」(笑)。

仕事や人生について、若き日の思い出、などなど、たくさんマスターとお喋りできて、一層チャーミングな一面に触れさせて頂けて、とても嬉しかったです。イタリアンは、食欲の赴くままに口に入れ、しかし休むことなくベラベラ喋るのが、いちばん美味しい食べ方だと思います。あー楽しかった!

ブログに、「仕事に疲れたので、籠太にリフレッシュに行きます」と予約メールを入れたことが書かれています。

見えないところで汗をかいて報われないことも多い人生の、いったい何が楽しいのでしょう。そのような仕事を、これから何十年も貫いていけるのだろうか。体力的にも精神的にも疲れてくると、私たちも、焦ったりグラグラすることがあります。

その答え合わせをするために、私たちは「籠太」さんに行っています。

籠太さんでは、一般的な居酒屋が設定しているコストと利益から逆算すれば、「採算が合わない」料理がほとんどだと思います。下処理の方法から調味料の選定まで、隠すことなく教えてくださいますが、体力的にも経験的にも、どれ一つ私には真似できない取り組みです。

一点の曇りも無い清潔なグラスに常に一定の泡の層が乗っているビール、居酒屋のお皿とは思えない見事な器、もちろんお料理の美味しさ、美しさ...お店の清潔さ、床の温かさ、マスターとおかみさんの立ち居振る舞い。「働くこととは、生きることとは、人に喜んでもらうこと。他と同じことをやったって、喜ばれない」と、身を以って教えてくださいます。崩れず迷わず全力で突き進んだら、私たちもきっと、こうなれるんだ。ならせていただきたいんだ。

答え合わせを済ませて、焦りや不安がほどけると、安心してお酒を飲むことができます。あぁ、いいお酒だ。来て良かった。

籠太さんを始め、私たちには、「人生の師」が、たくさんいてくださいます。どの方も、思い起こせば、不思議なご縁です。

このような方になりたい、そのためには、こうやって頑張っていくのだ...。こうしていけば、きっとあの方は、よくやったねと喜んでくださるのだ...。

いつもそう思いながら自らの仕事に没頭し、今日もおいしく仲良くゴハンを食べていけることが、私たちの幸せです。

日時:2011年3月 8日 PM 06:26
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